「ぼくの望んでいたのは,およそ家庭内の仕事という仕事はなんでもできるような機械であった。…家事は無限に繰り返される不必要きわまる苦役である。…ぼくは万能(フレキシブル)フランクの製作に取り掛かった(R・ハインライト「夏への扉」)」。今もって現れないその機械はきっと,ネットワークに繋がる「意志」を持っている,それは間違いない。
コンピューターテクノロジーにおける次の大変革といわれているのは,あらゆるものがインターネットに繋がり,生活をより良くするために手助けしあうユビキタスコンピューティングだ。だがどこまでをネットワークが管理し,どこまでを自分が管理するのかなど,ことパーソナルの領域の話では,壁にぶち当たる。我々がすぐに,冷蔵庫や電子レンジと口をきくほどの仲には発展しないだろう。
と,いうペントランド教授のお話。でもそれで終わってしまってはつまらない。…確かに,インターネット冷蔵庫,インターネット電子レンジなんてものはすでに姿を現しはじめているが(過去記事),さっぱり使えなさそうだったり,別にパソコンでやればいいやんというものばかり。すでに個々の特性に徳化し過ぎた機器をネットワークをつないでも,さしてやれることはないということ。今必要なのは,新しい機器の発明なのかもしれない。
ネットを介して注文を出せば,すぐにすべてのものが宅配される社会も近いだろう(ZDNetのコラム)。それにアクセスして自動的に毎日注文し,その宅配されたものを受け取って自動的に調理し,余ったものは内蔵の冷蔵庫に貯蔵する。そこまでできる機器があってはじめて,ネットワーク家電は意味を持つ。パソコンは間口が広かったからネットワーク端末となりえたが,現在の家電にはその間口がない。だから,新しい機器への変容が求められるのだ。その変容を発明するものは,誰かな〜?
|